「国民健康保険や国民年金の負担が重すぎて、手元にお金が残らない……」と悩んでいませんか?
「社保の窓口」は、個人事業主が「国民健康保険・国民年金」から、より負担の少ない「社会保険(健康保険・厚生年金)」へと切り替えることで、保険料負担を軽減するサービスです。
一般社団法人の理事に就任し、役員報酬を受け取って社会保険に加入するという形をとることで、本業の所得額にかかわらず、月々の保険料負担を劇的に軽減できる可能性があります。
一方で、その特殊な仕組みから「脱法ではないか?」「実態のないペーパー理事では?」という声があるのも事実です。
しかし、法的には、法的には以下の2点が明確に認められています。
- 毎月一定の業務を行い、役員報酬が発生していれば、社会保険への加入は加入者の「権利」であり法人の「義務」である
- 個人事業と役員を兼務する場合、役員報酬をベースに社会保険に加入することは、制度に基づいた正当な手続きである
「社保の窓口」は、一定の業務実態を伴う手続きを前提としているため、現行法にのっとった方法です。
本記事では、社保の窓口の具体的なスキームや、違法ではない根拠、利用前に必ず知っておくべき注意点を詳しく解説します。
社保の窓口が違法ではないと判断できる明確な2つの理由
「社会保険料を安く抑えられる」というサービスに対し、多くの個人事業主が抱く最初の疑念は「それは脱税や脱法行為ではないのか」という点です。
しかし、社保の窓口は、現行の社会保障制度が定めている「加入要件」を適正に満たしています。
なぜ社保の窓口が違法ではないと言い切れるのか、2つの理由を解説します。
理由1:一般社団法人の理事として報酬を受け取り「被保険者」となる仕組み
社保の窓口が違法ではない最大の根拠は、厚生年金保険法に則った正当な被保険者資格の取得プロセスを踏んでいる点にあります。
社保の窓口における加入の流れは、以下の3つのステップで構成されています。
利用者は、運営母体である一般社団法人の「役員(理事)」として登記されます。
利用者は毎月96,000円をサービス利用料として支払う一方で、月15分程度のアンケート回答といった理事としての職務を遂行します。その対価として、法人から月額56,000円の役員報酬が支払われます。
厚生年金保険法第9条に基づき、適用事業所に使用され報酬を受ける者は、被保険者となります。
厚生年金保険法 第9条(被保険者)
適用事業所に使用される七十歳未満の者は、厚生年金保険の被保険者とする。
上記の条文の「使用される」という言葉は、雇用関係だけでなく、法人の運営に関与し報酬を受けている状態を含みます。
したがって、理事として職務に就き、その対価として報酬を受け取る加入者は、正当な被保険者に該当します。
この仕組みの本質は、法人が加入者に対し役員報酬を支払っているという客観的な事実にあります。
日本の社会保険制度は、報酬の経緯を問うのではなく、「職務への対価として報酬が発生していること」を加入の判断基準としています。
つまり、加入者が法人の運営に参画し、報酬を受領している以上、法人は法律に基づき、その加入者を社会保険に加入させる義務を負うことになります。
このように、サービス利用料(96,000円)と役員報酬(56,000円)の差額によって生じる「実質負担40,000円」という形は、法が定める要件を過不足なく満たした結果です。
社保の窓口のサービス加入者は、制度の趣旨にのっとった正当な社会保険の対象者といえます。
理由2:運営主体が「適用事業所」に該当する一般社団法人である
社保の窓口が違法ではないといえるもう一つの大きな根拠は、その運営主体の法的定義にあります。
社保の窓口を運営しているのは、以下の団体です。
| 運営団体 | 一般社団法人社保の窓口 |
| 所在地 | 東京都新宿区高田馬場2-17-3 東京三協信用金庫本店ビル6階 |
| 公式サイト | https://syahomado.com/?page=1 |
| 電話番号 | 03-6555-4547(受付時間 平日10:00〜18:00) |
| 代表理事 | 千葉 遼太郎 |
この「一般社団法人社保の窓口」は、法人格を持つ組織であり、所在地や代表者を明確にして登記されています。
そして、この社団法人は以下の条文に基づき、社会保険への加入が義務付けられた「適用事業所」に該当します。
厚生年金保険法 第6条(適用事業所)
次の各号のいずれかに該当する事業所(中略)を適用事業所とする。
二 国、地方公共団体又は法人の事業所であつて、常時一人以上の従業員を使用するもの
この条文にある通り、株式会社だけでなく一般社団法人のような法人格を持つ組織は、役員や従業員が1名でもいれば、法律によって「適用事業所」として扱われます。
「適用事業所」になると、法人はその役員や従業員を社会保険に加入させる法的義務を負います。
これは、事業主や個人の意思で選べるものではなく、条件を満たせば強制的に加入義務が生じる仕組みです。
運営団体がこの条文に基づき、法律上の責任を負う主体であるからこそ、その法人を通じて行われる被保険者資格の取得は、法にのっとった正当な手続きとなります。
仕組みが「怪しい」「脱法」と疑われてしまう背景にある4つの理由
社保の窓口が「怪しい」「脱法行為ではないか」と疑念を持たれやすい背景には、いくつかの構造的な要因が存在します。
法的な形式は整っているものの、一般的な労働の常識や社会保険制度の本来のあり方から見ると、直感的に違和感を抱きやすいポイントが複数あるためです。
ここからは、不信感を生んでいる具体的な4つの理由について詳しく解説します。
1.理事としての業務内容の不透明さ
社保の窓口を利用する場合、一般社団法人の理事として「月10〜15分程度のアンケート回答」といった、軽微な業務を継続的に担うことになります。
しかし、この仕組みこそが「怪しい」と感じさせる大きな要因です。一般的に理事や役員といえば、組織の命運を左右する経営判断を下し、その結果に重い責任を負う立場を想像するからでしょう。
そのため、わずかな作業時間に対して理事報酬が発生する実態に対し、「不自然だ」と疑念を抱くのも決して無理もありません。
もっとも、法的な観点から見れば、法人の理事は一般的な労働者と立場が明確に異なります。
理事には、労働基準法(労働時間や休憩、休日など)や就業規則が適用されません。
報酬の決定権も法人の自由な裁量に委ねられているため、作業時間と支給額が比例していなくても、直ちに法律上の不備やルール違反とはならない仕組みです。
制度上は短時間業務でも問題ないとはいえ、理事が負うべき本来の重責というイメージと、実際の作業負担の間に横たわる大きな開きが、多くの人に心理的な抵抗を抱かせる一因となっています。
2.形式的な役員就任への懸念
本来、理事の就任は、その組織の運営や発展に寄与することを目的として行われるべきものです。
しかし、社保の窓口を利用する方の多くは自身の国民健康保険料を削減し、社会保険へ加入することを最大の目的を最大の目的として理事に就任します。
この「目的のすり替え」が、制度の趣旨を歪めているのではないかという批判を招く要因です。
実質的な経営参画や事業への貢献という側面が乏しいと判断された場合、行政機関や専門家から、社会保険の被保険者資格を得るためだけの「名義貸し」に近い状態ではないかと疑問を呈される可能性があります。
法的な形式要件は満たしていても、その背景にある意図が制度本来のあり方から逸脱しているように見えることが、脱法行為と疑われる大きな要因となっています。
3.本業の所得額に関わらず、負担額が一律
日本の社会保険制度は、所得が高い人ほど多くの保険料を負担する「所得比例」が原則です。
しかし社保の窓口を利用すると、個人事業主としての本業所得がいくら高くても法人から支払われる少額の役員報酬を基準に保険料が計算されるため、負担額は一定で月額40,000円です。
その結果、本来負担すべき国民健康保険料よりも大幅に安く済んでしまう現象が起こります。
この仕組みは高額な保険料に悩む個人事業主には大きなメリットですが、社会保障全体の公平性の観点からは「制度の穴を突いた不当な節約」と見なされ、「怪しい」という評価に繋がっています。
4.削減額を強調する宣伝手法
広告や公式サイトで「年間最大100万円も削減可能!」などと、削減額の大きさを強調する手法も、逆に警戒心を招く結果につながっています。
あまりにも極端なメリットを提示されると、「何か裏があるのではないか」「後から高額な請求が来るのではないか」と本能的に感じてしまうためです。
また、実際に大きな削減効果を得られるのは、もともと所得が高く扶養家族の多い人に限られるという点にも注意が必要です。
所得がそれほど高くなかったり単身者であったりする場合は大きな削減にならず、場合によっては従来の国民健康保険や国民年金の方が安く済むケースも存在します。
インパクトの強い宣伝が個々の状況による違いを覆い隠してしまっていることが、サービスの実態を正しく理解する妨げとなり、結果として「怪しい」という評価に繋がっています。
出典:社保の窓口 公式ページ
加入を検討する際には、仕組みをよく理解し、自分の現在支払っている社会保険料と比較して実際にどの程度の削減になるのかを慎重に確認する必要があります。
加入を検討する際に必ず理解しておくべき4つの大きなリスク
社保の窓口への加入は、目先のコスト削減だけでなく、将来的なリスクを検討したうえで判断する必要があります。
現在は現行法に適合した仕組みであっても、国の制度運用や法的解釈は将来的に変わる可能性があるためです。
入会検討時に見落としがちな、4つの大きなリスクについて整理します。
1.制度趣旨に反する利用形態への法改正や運用の厳格化
社会保険制度は、本来「実態のある使用関係」と「正当な労務の対価」を前提として設計されているものです。
社保の窓口のサービスは形式上の加入要件を満たしていますが、社会保険料の削減のみを主目的とした利用が急増すれば、国が「制度の趣旨に反する」と判断し対策に乗り出す可能性があります。
実際に過去には、「社会保険料節約スキーム」が問題視され、ルールが明確化された事例があります。
かつては「月給を低く、賞与を高く」設定し、保険料の上限制度を利用して負担を抑える手法が横行しました。
しかし、こうした制度の穴を突く手法に対し、厚生労働省によって運用のルールが変更されて継続できなくなりました。
現在は、年4回以上の賞与は「月々の給与(報酬)」とみなされ、合算して保険料を算出するルールに厳格化されていますので、賞与を利用して社会保険料を削減することはできなくなっています。
参考:日本年金機構|従業員に賞与を支給したとき(賞与支払届)
今後社保の窓口と同様のスキームが一般化し社会保障の公平性を損なうと見なされれば、加入要件がより厳しくなる、あるいは法改正によって現在の形での継続が難しくなるといったリスクは否定できません。
2.実態がないと判定された場合の遡及請求
被保険者資格が否定された場合、社会保険から国民健康保険等への切替が行われ、過去に遡って(最大2年)保険料の精算が必要となる可能性があります。
この場合、すでに支払った社会保険料との差額が生じるため、想定外の追加負担が発生する点には注意が必要です。
実際に、日本年金機構や協会けんぽによる事業所調査が定期的に行われています。
調査では「本当にその人が役員として働いているか」「報酬に見合った実態があるか」が厳しくチェックされる仕組みです。
もし調査が入った際に理事としての活動記録(アンケート回答や議事録など)が一切なく、「保険料を安くするためだけの名義貸し」と判断されてしまうと、その時点で被保険者の資格を取り消されるリスクがあります。
そのため、提供される軽微な業務であっても「義務」としてしっかりと遂行し、「活動の実態」を形として残しておくことが、自分自身の身を守る最大の防衛策となります。
形式を整えるだけでなく、提供される業務を確実に行うといった実態の維持こそが、このリスクを回避するうえでの重要なポイントです。
3.加入後の月額負担が、現行の保険料を上回る逆転現象
社保の窓口を利用する際は、月額40,000円という実質負担額が、現在の国保・国民年金の合計額を本当に下回るのか、慎重にシミュレーションしなければなりません。
この金額は所得が高い人には魅力的ですが、所得が比較的低い層にとっては、かえって負担が増えるケースがあります。
国民健康保険料は前年の所得に応じて決まるため、所得が低い年や経費が多い年は、もともとの負担額が抑えられているからです。
そのため、現在の国民健康保険料の金額によっては、サービスを利用することで「以前より支払額が増えてしまった」という逆転現象も起こり得ます。
固定費を削減するつもりが、逆に家計を圧迫することのないよう、事前のシミュレーションが重要です。
4.所得税・住民税が少し上がる可能性への配慮
社会保険料を安く抑えることの「隠れた注意点」として、所得税への影響も無視できません。
通常、支払った社会保険料は全額が「所得控除」となります。
そのため、支払った社会保険料は全額が「所得控除」となり、その金額に税率をかけた分だけ税金(所得税・住民税)が軽減されます。
社保の窓口を利用して社会保険料の支払額が大幅に減ると、この控除額も減るため、結果として本業にかかる所得税や住民税が以前より少し増える点に注意しましょう。
「社保の窓口」を利用して社会保険料の支払額が大幅に減ると、この控除額も減るため、結果として所得税や住民税が増える可能性がある点に注意しましょう。
「保険料の削減額」がそのまま「手元に残る金額」と直結するわけではありません。
税金を含めたトータルでの収支シミュレーションを行うことが、納得感のある選択に繋がります。
利用するかどうかは自己責任です。目先の節約額だけに目を奪われず、将来的な規制変更や税負担までを視野に入れて、冷静に判断しましょう。
あなたが社保の窓口を利用すべきか判断する4つの基準
社保の窓口は便利なサービスですが、すべての人に最適とは限りません。以下の4つの基準で検討しましょう。
1.法人運営の手間を「外注」するか「自力」で担うか
最大の比較対象は、自分で会社を作るマイクロ法人です。
ここで重要なのは、社保の窓口に支払う「実質負担4万円」の内訳を正しく理解することです。
この金額には、あなた自身の社会保険料(健康保険・厚生年金)だけでなく、一般社団法人が提供する事務管理運営コストや事務手数料が含まれています。
2.現在の負担額と「4万円」を比較する
最もシンプルかつ重要な基準は、金銭的なメリットが確実にあるかどうかです。
検討の第一歩として、まずは現在支払っている保険料を正確に把握しましょう。
その上で、「社保の窓口へのサービス利用料の支払い」と「役員報酬の受け取り」という一連の収支の流れをシミュレーションし、現在の状況とどちらが有利になるかを正確に把握することが大切です。
3.扶養家族(配偶者や子供)の人数
社会保険(厚生年金・健康保険)の最大の強みは、「扶養」※という概念があることです。
※社会保険の扶養には一定の条件があり、年収がおおむね130万円未満で、被保険者の収入によって生計を維持している親族が対象となります。なお、配偶者・子・親以外の親族については、原則として同居が必要です。
4.将来的な年金受給額の増加に価値を感じるか
社保の窓口への加入は、単なる節約ではなく「厚生年金への加入」を意味しますので、その捉え方が重要です。
老後の生活設計をどう描いているかによって、この仕組みの価値は大きく変わります。
社保の窓口への入会を適切に判断するためのチェックリスト
自分にメリットがあるのか、それともリスクの方が大きいのかを判断するための指針を整理しました。
以下の条件に自分がどれだけ当てはまるか、確認してみましょう。
入会に向いている人の条件
以下の条件に多く当てはまる方は、社保の窓口を利用するメリットが大きく、検討の価値があると言えます。
- 月々の国保・年金支払額が5万円を超えている
- 扶養家族(配偶者や子供)がいる
- マイクロ法人の設立は面倒だと思う
- 将来の年金受給額を増やしたい
- 「役員」としての業務実態を継続できる
- 制度変更のリスクを理解している
入会に向いていない人の条件
以下に多く当てはまる方は、現在の国民健康保険のままの方が安全かつ経済的な場合が多いです。
- 月々の国保・年金支払額が4万円以下である
- 所得が不安定、または比較的低い
- 「グレーゾーン」を避けたい方
- 会社設立に伴う事務作業や決算申告は苦にならない
- 法人格を持って自分でコントロールしたい
まとめ
社保の窓口が提供する仕組みは一般社団法人の役員として社会保険に加入するという、現行の法律に則った正当な手続きに基づいています。
そのため、現時点では違法性はありません。
しかし、同時に以下の3つの視点を忘れてはいけません。
1.形式と実態のバランス
役員就任という形式を整えるだけでなく、提供される実務を確実に行い、実態を伴わせることがリスク回避の鍵となります。
2.個別の損得勘定
所得額や扶養家族の有無によって、削減効果には大きな個人差があります。
必ず自身の「保険料額通知書」を基に、月々の収支をシミュレーションしてください。
3.将来的な不透明さ
国の制度運用や法改正によって、現在の仕組みが永続的に利用できる保証はありません。
社保の窓口は、重い社会保険料負担に悩む個人事業主にとって強力な選択肢の一つであることは確かです。
メリットとリスクの両面を正しく理解したうえで、最終的には自分自身の状況に照らし合わせ、自己責任において慎重に判断を下すことが求められます。
もし導入を検討されるのであれば、まずは公式の相談窓口などを通じて、自身のケースでどれほどのメリットがあるのかを具体的に確認することから始めてみてはいかがでしょうか。
納得のいく選択で、日々の充実と将来の安心を手にしてください。

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